音楽の話がしたいのさ

だけど、あとひとつ それはロックンロール・ミュージック

2020年09月

RC、ミチロウ、NYパンク、ストーンズ、マシュー・スウィート、そしてTHE GOD
茨城の北端で半隠居生活中の老いぼれパンク(58歳)が書く音楽話

TERRIFYING

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ストーンズのアーカイヴ・シリーズで俺が一番待ち望んでたブツがコレ。

1989年、7年ぶりのツアーだったSTEEL WHEELS NORTH AMERICAN TOURの最終公演を音と絵で完全収録した『STEEL WHEELS LIVE ATLANTIC CITY NEW JERSY』







複数のゲストを迎えTVで生中継(前ツアーからの恒例イベント)された同公演は当然、無数のブートを産み、俺もVHSは手に入れた。



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西新宿にあったLIFE INNっていう小さな店で。
2回観に行った初来日公演の1回目の日だった。
確か他店よりちょっと安かったんじゃなかったかな?
数日後の2回目の日に同行の友人を連れてったら店主にアリーナ10列目のチケ勧められてみうらじゅんと遭遇した話は前にも書いたね




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スゲー回数観たよ、このビデオ。
ストーンズの映像で一番観たのはコレかもしれないってぐらい。

これ以前のストーンズは音的には凄くても映像は・・・ってことが多々あった。
内容うんぬんというより、映像機材と技術の進化が原因な気がするね。
絵的に満足度を感じられるのは1つ前の81~82年からかもしれない。

とりわけ、コレはカット割り、構図が抜群。
このタイミングではここを映してほしいという欲求にほぼ応えてくれてる。
今回の商品化にあたって、少々の手直しがあり、正直言うとTV放映版、つまりブートビデオの方が、その点は優れてる気がするんだけど、それは観た回数と時期による思い入れも加味されてるかも。
贅沢は言えない、このクオリティで公式リリースしてくれたんだから。

演奏自体もブートやTVなどで見聞きしたツアー初盤より回数こなしてグンとよくなってて絶好調ってカンジ。

直後の日本、そのあとのヨーロッパでは段々、余裕が出てきて少々緩さも感じられることもあったから此処がピークだったというのが俺の見解。
このツアーの最高の瞬間を捉えた最高の作品だと思う。

CDに関しては正直、もう少しエッジの効いたモノを予想してた。
レンタルで聴いたブートの名盤『ATLANTIC CITY』(3枚組のうち、3枚目が借りパクされてて無かった・・・)がアタマにあったから。
ちょっと音が遠く感じてしまう。
でも、もう1回言うけど贅沢は言えない。
やっと全編が公式で聴けるんだから。
「地の塩」でイジー・ストラドリンが弾いてるフレーズが聴きとれたことや「アンダー・カバー」でミックがぶつかってマイクを落とした音の処理が自然だったことに感動出来たし(笑)

ホント、31年経ってこうして観聴き出来て幸せだよ。

あとは2003年3月10日のアーカイヴ・リリースを待つのみだな。



Whatever Will Be, Will Be

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『ケ・セラ・セラ』はずっと盤で持ってなかった、カセット・コピーのみで。
リリース直後の、二度目の来日は観に行ったクセに(笑)

当時、SMSから幾つも出た日本盤は最寄りの友&愛にだいたい置いてあったんだよね。
20代になったばかりの俺は、レンタル屋にあるのは借りて済ませて無いのを買うって主義だった。
少しでも多くの音楽を聴きたくて。

リリースから2年後ぐらい?
西新宿を徘徊しててウッドストックで帯付きSMS盤を1500円とかで見つけて。
まだ、そんなに貴重盤でも無い筈だし、廻ってなかったすぐ近くのIKO IKOを覗いて目ぼしいの無かったら戻ってきて買おうと思ってIKO行って戻ってきたら・・・。
15分だよ、15分。
なんちゅー間の悪さ。

こういうことがあるとどーしても欲しくなるもんで、随分探したけど見つけられず。
10年後ぐらいだった、レコードを手にしたのは。
SICKZのフクちゃんが事情を話したらくれた。(お返しに俺があげたのはエンジェリック・アップスターツの帯付き日本盤1st)
SMSじゃなくてJUNGLE盤だったけど嬉しかったな、とっても。



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この『QUE SERA, SERA RESURRECTED』は昨年のレコード・ストア・デイの時に限定で出た2枚組LPのCD化。

RSDの時には、こうして後にCDで手にしやすくなるんじゃないか?っていうのと同時に、正直‟どうせ、騒ぐほどのモノじゃないんじゃないか?”という想いもあった。
何せ、ジョニサンだからね(笑)

そしたら。

目から鱗。
何コレ?
何でこういう音で出さなかったの?

ライナーにも書かれてる枚数を期待して軽めの音に仕上げた、ジョニーのコンディションが悪くて仕上げに立ち合えず意思が反映されてないというのが理由なんだろう。
でも、ホントにそれだけだろうか?

この後、ゆっくりとではあるけどジョニサンの方向性は変わっていった。
2年後の、このアルバムのミックスを担当したパティ・パラダインとの共作カバー・アルバム、『COPY CATS』
そして晩年のバンド、THE ODDBALLS。
ギターがんがんのロックンロールからサックス、女性コーラス入りのブラッキーな方へシフトして行ってた印象がある。
未完成で終わった幾つもの新曲とジョニサンが辿り着いて息絶えた場所がそれを裏付けてる気がする。

その手始めのつもりだったんじゃないのかなぁ、『ケ・セラ・セラ』が。
今回のリミックスには本人の意思は反映されてないワケだし・・・。

ただ、言ってること矛盾するけどすごくいいんだ、今回のリミックス盤。
もう、そういう憶測抜きにして素晴らしい。
随分時間も経ってるしね。

馬鹿みたいにリヴァーヴかけたTVががんがん鳴ってる、これぞジョニー・サンダースな音。
昨夜聴いてて、泣けてきちゃったもん、懐かしくて、嬉しくて。

真相はどうあれ、この音でリリースされた可能性もあるからね。
それを夢想して聴くのも楽しい。








タイトル曲を収録しないのはドールズの2nd、ソロの1stに続くジョニサン・マナーなのかな?(笑)
ジョニーらしさに溢れた名カバーだね、コレ。

あとはいつの日か、SMS盤に出会えますように、だな。

夢からさめて

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コレの話してなかったな。

『ならず者』、『女たち』、『スティッキー・フィンガーズ』に続く、ストーンズのデラックス・エディション第4弾。
今回もいつものごとく経済状況を反映して2CD版で(笑)

今度のが一番、というかはじめて、あからさまに音が違う。
それもその筈、帯のコピーによると‟オリジナル・セッション・ファイルからの2020年ニュー・ステレオ・ミックス”という今までになかった形容がされてる。

賛否両論あるミックスは、ビートルズのリマスターを手掛けたジャイルズ・マーティン。
‟あの”ジョージ・マーティンの息子。
この分離のいい、いわゆる‟いい音”はやっぱりストーンズには似つかわしくない気がするなぁ。
と言うか、一番それをしちゃいけないアルバムだったかも、『山羊のアタマ』が。
他の作品と一線を画す独特のドロッとした妖しい印象はオリジナルの団子状のモコモコした音があればこそだったんだと思った。
もしかするとかなり明確に意図されたモコモコだったのかもしれない。

とは言いつつ、曲によっては、あるいは部分的には、更にあるいは楽器パートごとには、いいなと思える瞬間もある。
何より一番、弄って差の出るアルバムだろうから、コレが。
違和感はありつつ新鮮。

よく聴こえた、言い方を変えると違和感をあまり感じなかったのは「悲しみのアンジー」と「ドゥー・ドゥー・ドゥー」そして「ウィンター」
コレはコレでありかな、と。
逆は「ダンシング・ウイズ・ミスターD」、「100年前」、「シルヴァー・トレイン」
この辺は魅力が半減してる気がする。

前のブログでストーンズのフェイバリット10曲を選んだ時に、このアルバムから「シルヴァー・トレイン」を選んでるんだけど、今思うと、確かに好きだけど「10曲に入れるかぁ?」って思いもあるな(笑)
実際、この中で一番好きな曲と思ってたけど甲乙つけがたいのが「ウィンター」
ミック・テイラーのギター・ソロは個人的には「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」よりこっち。
テイラーがストーンズに残した仕事の中でもベストかもしれない。
これは憶測だけど右チャンネルから聴こえるリズム・ギターはもうひとりのミックのような気がするんだよなぁ。
もしかするとキース不参加なんじゃないか、と。

今回あらためて聴いてて、アルバム全体を通してキースの印象は薄いと感じた。
テイラーが自身の参加作で一番目立っていい仕事してるよ、コレ。
それでもこの独特さがたまらなくて全アルバムで10本指に入るけどね、俺は。







地に降りてしまった
また戻ってきてしまった

考えてることを教えてくれよ
隠そうったって無理だぜ
彼女は生きようと死に物狂いだった
俺は彼女から逃げられなかった
言いなりになってしまった
彼女はそれが当然だと思ってるようだった

また着陸しちまった
戻ってきてしまった
俺の友だちたちは何処に居る?
俺は戻ってきちまったのに

いけないと思いながらも
人のパイに口をつけてしまった
ちょっとの味見のつもりがやめられなかった
そいつは怒って俺は泣きを見た
腹を空かすのは何も悪いことではないけど

俺はいつもこんな調子
また地に足を着いてしまったよ



キースは当時、こんなだったから(笑)


ー「夢からさめて」を書いた時のことは憶えてますか?-

「それは曲が物語ってるだろ?」

(ローリング・ストーン誌による最新インタビューでの発言)

まだまだ冴えてるな、キース(笑)





鳩は平和のシンボルだけど・・・・・

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何度も書いたことあるんだけど。

21歳の冬、人生最大のダウン期(今のところ、ね)に浸りきった1枚。

ホントに毎晩聴いてた。
今は無き実家の底冷えのする四畳半で。

ずっと、数ヶ月、ほぼ部屋に閉じこもって音楽を聴いてた。
他に聴いてたのはRCの『シングルマン』、チャボの『BOOK』、ジョニサンの『ハート・ミー』、パティの『ラジオ・エチオピア』、テレヴィジョンの『マーキームーン』、それにルー・リードの『ベルリン』
どうだ、暗いだろう?(笑)

THE GODのコレ(GOD₋OUT名義。毎回めんどくさい・笑)は昨日取り上げたレコードと対のようなアルバム。
コインの表と裏みたいな。
乱暴に言うと‟陽”と‟陰”。

昨日書いた『speaker to animals』が85年で、この『I’m not a soldier』が86年だから1年しか間隔開いてないのに全然印象が違う。

音の処理の違いとベースが美沙緒からイデヒロユキに変わったからっていうのが大きいのかもしれないけど作品に合ってる、どっちも。

そして『speaker~』は良次雄色が濃くて、こっちはNONの色が濃い
というのが俺の持論。

畏れ多くも酔っ払って本人たちに言ったことあるんだよ。
黙って聞いてくれてたけど今、思い出しても冷や汗出ちゃう(笑)

だけどホントにこのアルバムのNONは歌も詩も冴えてる。
他の誰にも唄えない、書けない曲ばかりだと思う。

「MEET WITH HAPPY」や「BE TOO LATE」を聴いて前歯が抜けちゃっても無職で保険証無いから歯医者に行けない自分を重ねて感情移入してたなぁ(笑)

俺のアンセムの1つでブログのサブタイトルに歌詩を拝借してる「ROCK’N ROLL I.D.」もこのアルバムの曲。

♪鳩は平和のシンボルだけど
  俺を救うことは出来やしないのさ♪

収録曲の歌詩でも飛び切り冴えてると思うのが「BE TOO LATE」のこのフレーズ。
他にもたくさんあるけど、この1行は凄いと思ってる、ずっと。











いつでもそばにいるSweet Jane

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たとえばね。

「Band Aids」の後半がストーンズの「Bitch」になっちゃうところとか

「ブルぶる」の♪I’m a loser Born to lose♪のあとの良次雄が唄うパートのリフがヴェルヴェットの「Sweet Jane」の借用だったりとか

そんで次の「Gestalt Onapet Doops」の歌詩にその「Sweet Jane」が出て来たりとか(ついでに言うと、この曲が自分たちの「Top Is Mine」のスローバージョンなのも)

「Stocking You」のサビの♪You Were Stocking♪が1回だけ♪You Were Stooge♪になるのとか

「Over Action」のエンディングの「白鳥の湖」とか

「Zen:Bu」の前のなんともピースフルな「All You Need Is Love」とか

次の「Flower」のエンディングにそれがもう1回出てくるのとか

もう全部がたまんないの(笑)

引用してる楽曲、アーティストへの敬愛は感じるけど、気負いも照れもまったく感じない。
すごい自然体。
そして全然わざとらしくない。

引け目を感じてないんだろうな。
同じ土俵に居ると言うか、自分たちはホンモノだという自負だと思う。

とても希有なフィーリングを持ったバンドだよ、THE GODは。


「ブルぶる」は近年のライヴでは再結成後に加入したギターのキンちゃんがエンディングで「Born To Lose」のイントロを弾いてるのにニヤリ。

そして数年前に友だちに聴かせてもらったハガル&ボルシュバキのライヴ音源での同曲(Hagalが唄ってる!)では先述の「Sweet Jane」のパートで良次雄がルー・リードの「Vicious」を唄うという捻り技をカマしてて唸らされた。


THE GODの作品は勿論どれも大好きだけど、このアルバムは装丁やリリース形態なんかも含めてトータルで一番完成度の高い作品だと思う。

いつか再発されますように。
そして2ndプレスのシングルジャケットを見つけられますように(笑)


THE GOD - GestaltOnapet Doops


1年目の9月15日に

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「もう1年経ったのか?」と言うべきか「まだ1年しか経ってないのか?」と言うべきか・・・。
近頃は後者な気分が強いかなぁ?
なんだか、あの思いっきり何も考えずに心から楽しめてた日々は遠い過去のことのような気がして。




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この日の‟1曲目当て大会”参加者は過去最大の9人。
茨城2名、神奈川2名、千葉、名古屋、三重、大阪。
東京在住は(たぶん)1名。しかも何故かフランスとのハーフの若い子。
勿論、誰も当てられなかった。




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あれよあれよと言う間に当たり前だと思ってたことが変わり果ててしまって、ビビりながらも、文句言いながらも、生きてく為にその変化に(早くも)慣れてきてしまって、諦めの気持ちさえ感じ始めてる自分が怖い今日この頃。

何もかもが不確かに感じる今現在、数少ない‟確かなモノ”がこの日のライヴを収録したこのアルバム
作品として残してくれて本当によかった。しかもこんな素晴らしい内容で。

何を聴こうが聴くまいがその人の勝手だと思うから「コレ聴かなきゃダメ」みたいな物言いが俺は大っ嫌いで、言われたくも言いたくもないけど、このアルバムに関しては「ダメ」とは言わないけど「勿体ないなぁ」とは思う。
今どき珍しいぐらいの何の説明も要らない純度100%のロックンロールが聴けるから。





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ただ、1つだけ言っておきたい。

ライヴがスゲーよかったのはアルバム聴けば確認出来るし、まだ生々しく記憶にも残ってるけど、この日だけがよかったワケじゃない。
同じぐらいよかった日は何度もあった。
そうでもない日もあったけどね(笑)

だからまだ、また、観たいんだよ。





蒼き風

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フレッド・マーロバート・クワインと来たら次は勿論フェルナンド・ソーンダース。

ということで今夜はこのレコード。

JEFF BECKの『JEFF BECK WITH JAN HAMMER GROUP LIVE (ライヴ・ワイヤー)』

76年のヤン・ハマー・グループに客演したツアーを収めたライヴ・アルバム。
ヤン・ハマー・グループのベースだったのがソーンダース。
おまけにドラムはソーンダースと一緒に晩年のルー・リードを10年以上に亘って支えたトニー‟サンダー”スミス。

‟客演”と言っても7曲中4曲がベックの曲で、あくまで、当然ながら、主役はベック。
百歩譲ってもハマ―とベックのバトル・アルバム。
それでもソーンダース、スミス、それにヴァイオリンのスティーヴ・キンドラーも素晴らしい仕事ぶりで参加メンバー全員が渾身の演奏をしてる。
圧巻なのがスタジオ・バージョンよりもテンポを上げてるコレ。






当時のベックには「フュージョン?クロスオーバー?」的な(批判混じりの)評価が多かったけど、このタガが外れてしまったような過剰さはロック以外の何物でもない、と俺は思う。

7曲中2曲にヴォーカルが入ってるけど(どちらもヤン・ハマ―・グループの曲)インスト曲の方が断然いい。
この路線に辿り着くまでいろんなバンドを作っては壊してきたベックの現在に至るまでのスタイルの完成形。







個人的フェイバリットはラストのこの曲。
‟あの”「トレイン・ケプト・ア・ローリン」の導入もすごく自然でカッコいい文句なしのロック。
聴いててサイコーに気持ちいい。

それにしても、やっぱりフェルナンド・ソーンダースはスゲエな。
ROVOのメンバーである芳垣安洋や勝井祐二らとのアルバム『デヴォーション』、数年前に今は無き高円寺レアで見つけて置いてきちゃったんだよなぁ。
探そう。

minimal₋synth meets guitars

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昨日の記事で取り上げたアルバムで笑っちゃうぐらいに記名性の高いゲスト参加をしたギタリストのアルバムを聴いてる。

コントーションズのギタリスト、ジョディ・ハリスとの共同名義作、『ESCAPE』(1981年)
ずっと欲しかったんだけど、今年リイシューされたのをツィッターで知って即買い。

コントーションズの後のジェームス・ホワイト&ザ・ブラックス名義の『OFF WHITE』にクワインが参加してたり、85年頃のリチャード・ヘルのライヴ(クワインは不参加)でハリスが弾いてたりと共同作業も納得な人脈に居た二人。

二人のギターの他はリズムボックスとシンセらしき音がわずかに聴こえる程度のミニマムな作品。
そのリズムボックスも何もかも二人で手掛けたのだろう、きっと。

内容は予想をまったく裏切らない、いかにもこの二人な音。
アバンギャルド風味でありつつ、どこか飄々としたイメージ。
ダークな曲調のモノも決して重くならず誤解を怖れずに言えばスタイリッシュで粋。

ヴォーカルも無いし、大した展開も無い淡々とした45分強。
でも聴いてて全然飽きないし疲れない、俺はね。







この最終曲のロカビリー・テイストが「ブランク・ジェネレーション」のクワインの引き攣ったロカビリーみたいなギターソロを思い出させてくれるから一番好き。

次はフレッド・マーとの共同作、『BASIC』を見つけたい。

スクリッチポリチッチ

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音楽番組でPVを観て「俺には無縁」と思ったあの時、まさか35年後にアルバムを手にして、それも好きになってしまうとは思いもしなかった。

SCRITTI POLITTIの85年の2ndアルバム『Cupide & Psyche 85』

聴きたいと思ったのはフレッド・マーが混ざってるのを知ったから。
俺がチャーリー・ワッツの次に好きなドラマーでこのアルバムから加入。(このアルバムのみ?)
元からのメンバー、グリーン、デヴィッド・ガムソンと共にプロデュースにも(8曲のみ)名を連ねてる。

85年のフレッド・マーと言えば、ヴォイドイズ~ルー・リードの作品、ライヴへの参加を経てマシュー・スウィート、ロイド・コールに協力する間の時期。

83年のルーのアルバム、『ニュー・センセーション』や89年のマシューのアルバム『EARTH』(プロデュースも務めてる)で試みたドラム・プログラミングが、このスクリッティ・ポリッティのアルバムでも5曲で使われてる。

マシューのアルバムと同じ89年にルーのレコーディングに再び参加した『ニューヨーク』(コレもプロデュース)では全編、生ドラム。
いづれも作品にばっちりハマってる。
すごいフレキシブルな人なんだろうな。

で、スクリッティ・ポリッティのこのアルバムの話ね。

フレッド・マーが関係なくなるぐらいに気に入ってしまった。

当時の最新で最高の機材を使用して最先端だったであろう音色は今聴くとちょっと時代を感じさせたりもするけど楽曲、演奏はまったく色褪せてない。
と言うか、今や当たり前である意味、主流とも言える白人によるエレクトロニクスを使ったブラック・ミュージックのパイオニアであり、それを定着させた作品がコレなんじゃないだろうか?








やたら出たシングル・カットには選ばれなかったけど、この曲がナンバー1フェイバリットかな。
歯切れよいグルーヴに乗るグリーンの声が心地良い。
ちなみにコレは生ドラム。







シングル曲ではコレ。
メロ、アレンジ、演奏。
パーフェクトだと思う。
コレはプログラミングだね。





「ああ、そうか、そうだよな、混ざるよね」な人がハンコを押したような彼そのものなギター・ソロを弾いてて笑っちゃう、嬉しくて。

当時の、了見の狭い俺だったら絶対、好きになれなかっただろうな、このアルバム。
歳食って心が広くなってよかった(笑)
いやマジで。

今日の記事タイトル。

当時、チャボがインタビューで(渋谷陽一だったかな?)「相変わらず古い音楽ばかり聴いてるの?」みたいなこと言われて「ちゃんと新しいのも聴いてるよ。スクリッチ・ポリチッチだっけ?ああいうのも聴いてる」って返してたの思い出して。

さすがだと思う(笑)


いがみ合うなんてもうやめろよ、それじゃヤツらの思うツボ


デヴィッド・ボウイの『スケアリー・モンスターズ』
クラッシュの『サンディニスタ!』
AC/DCの『悪魔の招待状』
レッチリの『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』
サンハウスの『クレイジー・ダイヤモンズ』
あぶらだこの『あぶらだこ(木盤)』
椎名林檎の『勝訴ストリップ』

程度の差はあれど、バンド/アーティストというより、もしかすると、俺はこの1枚のアルバムが好きなのかも?
と思えるアルバムが幾つかあるけどコレもそんな1枚。




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LIZARDの『BABYLON ROCKER』

人に録音してもらったカセット・コピーを長年愛聴し続けて、5年前にレコードを手に入れ、つい先日CDでも入手。

このSS盤、とっくに廃盤だと思ってたけど、別件を検索してて発見して即買い。
「宇宙に偶然なんてないんだぜ」って昔、GODの良次雄が言ってたけど、このタイミングで出会えて手に出来たのは必然なのかもしれない、なんてちょっと思った、聴いてたら。










5年前には、好きだけど正直言ってノスタルジーというか昔の音楽という印象を持ったけど、この曲なんか強力に今現在聴いて響く、個人的には。
ほとんど全部の曲が大好きでアルバムとして凄い作品だと思うけど曲としてはコレが一番、昔も今も。
一昨年の暮れにこのアルバムのこと書いた時にも貼ったのにまた貼っちゃった(笑)

このアルバムのことを書くのも3回目なんで内容についてはくどくど書かないけど、リザードがディープに好きな人たちは1stだ、あるいは『ジムノぺディア』だ、いや『Ⅲ』だ、という意見もあるかもしれないし、代表作かどうかもわからないけど俺は断トツでコレだな。


Baby Let’s Pretend

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BAY CITY ROLLERSのLPで最初に買ったのがコレ。

昨日、書いたようにキッスに続いて洋楽2枚目。
当時の最新盤だったんじゃないかなぁ?
まだ『恋のゲーム』は出てなかったと思う。
タイトル曲がシングルと違ってイアンが唄ってて微妙な気持ちになった記憶がある。
ルックスではイアン派だったけどヴォーカルは圧倒的にレスリーだったから。

コレの1つ前の『青春のアイドル』が、目玉曲の「サタデー・ナイト」を除いてメンバーのオリジナル(エリックとウッディのコンビ作)だったのと比較すると、カバーや外部ライターの曲ばかりでオリジナルはたったの3曲。
本人たちは不本意だったかもしれないけど、そのどれもがいい。

誤解なきよう言っておくと『青春のアイドル』は楽曲が粒ぞろいの名盤だと思う。
ただ、ここで路線が大きく変更された。
裏方もスウィートなどに関わってた連中から一新。
ざっくり言うと、グラム系からアメリカン・ポップス系に方向変換した。
本人たちの指向はどうだったのかしらないけど出来はすこぶるいい。
そういうところが俺が「ポップスは悲しい」と思う理由の1つ。







プロデュースを担当したジミー・イエナーが関わってたラズベリーズのこの曲はとりわけ出色の出来栄え。
はっきり言ってラズベリーズの原曲より全然好き。
なんならローラーズの曲で一番好きかも。
昨日の「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」同様、当然こっちを先に聴いたし、聴いた回数がハンパじゃないから。

小6が買った2枚目の洋楽LPだからねぇ。
聴くもんないし、時間はたっぷりあったから。

それなりに枚数を所有し、それなりに欲しいレコードを手に入れられるようになったけど、1枚のレコードを聴く回数は圧倒的に減ってる。

どっちがいいのかね?

イアン・ミッチェル

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偶然にも2日ぐらい前にふと‟CD欲しいな”と思って(CDはベスト1枚しか持ってない)検索して、奥さん(中1で茨城北端から武道館まで来日公演を観に行った筋金入りのローラー・マニア)に「やっぱり『青春に捧げるメロディー』が一番いいアルバムだよね」なんて話したばかり。

62歳ってことは7つ上か。
今じゃ大した差を感じないけど小6の頃はスゲー大人だと思ってたなぁ。
でも17歳だったのか・・・。

例のポルノ出演の件もあってか、いいことばかり言われる人ではなかったし、ミュージシャンとして才能があったとも思えないけど、それでも寂しい、好きだったから。
ウチの奥さんは「クセのある顔だしあんまり好きじゃない」って言ってたけど、俺はレスリーよりパットより好きだったな。
髪型とかファッションとか憧れたんだよね。








あっという間にBCRを脱退した後に昔の仲間と結成したロゼッタ・ストーンのシングル。
確か2nd。

リード・ヴォーカルが居るバンドだったし、イアンってことなら自身が唄ったBCRの「DEDICATION(青春に捧げるメロディー)」を貼るべきかもしれないけど、アレはその後、レスリーがヴォーカルを差し替えたシングル・バージョンの方が断然いいし、この曲、名曲だから。
カバー?それとも外部ライターの書き下ろし?
どっちでも気にならないぐらいにいい、今聴いても。



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レコードは勿論、全部が奥さんのだけどデビュー・シングルの「サンシャイン・ラヴ」は俺もラジオで聴いて鮮明に憶えてた。
同世代の人はみんな、クリームのオリジナルよりこっちを先に聴いてる筈。

さて、次は俺がキッスの『地獄のロック・ファイヤー』の次に買った洋楽のLP、『青春に捧げるメロディー』聴くか。
やっぱりCD欲しいな。
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