音楽の話がしたいのさ

だけど、あとひとつ それはロックンロール・ミュージック

2022年03月

RC、ミチロウ、NYパンク、ストーンズ、マシュー・スウィート、そしてTHE GOD
茨城の北端で半隠居生活中の老いぼれパンク(58歳)が書く音楽話

誰よりも遠いところへ行ったスーサイド

IMG_6504




ボルシー目当て(とてもいい記事だった!)でEL ZiNE買ったら大越よしはる氏の連載でSUICIDEが取り上げられてた。

SUICIDEは1stしか持ってないんだけど、いつもながらの大越さんのアツく濃い文章読んでたら他のも聴きたくなったよ。

でも、なんというかあまりに強烈過ぎてね、1stが。
なかなか先に進めない(笑)



IMG_6766



読んでて聴きたくなった98年復刻CDのディスク2を聴いてる。

前半に6曲収録された77年CBGB’sでのライヴも凄くいいんだけど大越さんが書かれてるとおり、「23 MINUTES OVER BRUSSELS」と題された78年のブリュッセルでのライヴ音源が生々しい音質も相まって壮絶。

最初こそあたたかい歓声が飛んでるものの曲が進むごとに大きくなるブーイング。
‟あの”世にも怖ろしい「Frankie Tear Drop」を始めた途端に突如として演奏打ち切り。
ダメだよ、コステロの前座にこんなの出しちゃ(笑)

スーサイド聴くといつも思うけど極北で最果てだよね、ロックンロールの。
ストゥージズ聴いて影響受けてラモーンズが登場した時、「おまえたちみたいなバンドを待ってた」と言ったというアラン・ヴェガ。
自分もそういうのやりたかった、というかやってるつもりだったのかもしれないけど、実際の音はアレだからなぁ(笑)

曲調はロカビリーなのに、あのチープなマーティン・レヴのビート。
まるで不穏に高鳴る心臓の鼓動のような。
そしてどれだけ叫んでもどこまでも醒めたヴェガの声。

「俺たちの最初のファンさ。ヤツはイカレてる(笑)」
ジョニー・ラモーンの言うとおり。

極北”も‟最果て”も使っちゃったんだよなぁ、記事タイトルに(笑)

でも、マジで一番遠くまで行ったのはこのバンドなのかも。


Young Pretender

FOS5baVacAQIjnn





キースの、しかもあのシングルの話をしたら次はコレのことに触れておかないとね。
この箱のブックレットにこんな写真も載ってたしさ。



IMG_6663










1stソロ・アルバムと同時リリースされた1stシングル。
キースの今回の復刻盤にも追加収録されてたトゥーツ&メイタルズのレゲエ・クラッシックのカバー。
キースのは03年のレコーディングらしいのでイジーの11年後だね。
つまり継承者であるイジーの方が先取り(笑)

まあ、そんなに言う程、キース、キースしてないけどね、イジー。
ガンズンに居た頃はどっちかと言うとアンディー・マッコイとかそんなイメージで。
それにしたってあくまで雰囲気で音楽的にはそうモロでもなかった。
独自のもん持ってたよ。



IMG_6723



そういえば来日公演観たっけな。
1週間後のマイケル・モンローが飛び入りしないかな?なんて思ってたけど出なかった(笑)
日付け見るとアルバム出る前だったんだね。
「プレジャー・ドロップ」はカバーだから曲、知ってたけど他は全然聴いたことないのばかりだったのか・・・。
あっ、ボ・ディドリーの「クラッキン・アップ」をエルモカンボっぽいアレンジでやってたな。
あとどの曲だったか憶えてないけどリード・ギターのリック・リチャーズ(ex.ジョージア・サテライツ)がギター・ソロに「ムーンライト・マイル」のフレーズ入れてたの思い出した。
リックのギターがちょいクドめでミック・テイラーっぽかったんだよな(笑)

シングルにはアルバム未収録曲が3曲入ってて、そのどれもが良かったんだよなぁ。
なんでコレ、アルバムに入れないかなぁ?って。






特にこの曲。
コレが1曲目だった、ライヴで。
カッコイイな、今聴いても。







動画検索してて見つけた。
いつぐらいか、何に収録されてるのか知らないけど。
ドールズ再結成の時、イジーの参加が噂されてたのを思い出した。
実現してたら面白かったんだけどな。

ヤツらがやって来る、いつもキツめに

FOS39zrakAAo4f-



キースのネタを、もうひとつ。

コレはこの間、お茶の水ユニオンで手に入れた。
2018年のレコード・ストア・デイにリリース40周年記念として12インチでリイシューされた1stソロシングル。
当然、即ソールドアウトになってたものが昨年秋に復刻。

2018年も情報は知ってたけど「ふーん」ってカンジだったし、今回も見送るつもりだったんだけど、ツィッターで親切なフォロワーさんに「まだ新品がリーズナブルな価格で入手出来ますよ」って教えてもらったらやっぱり欲しくなって・・・。
「こんなの絶対に要らねえや!」なんて思ってたワケじゃないしね(笑)



IMG_6679




見送ろうと思ってたのはコレを持ってたから。
リリースから6~7年経った頃、普通に新品で置いてあったのを新宿レコードで見つけた。

2007年に7インチ復刻された時、「HARDER THEY COME」の代わりにB面に収録された「PRESSURE DROP」(レコーディングは2003年、原曲のトゥーツ&メイタルズと)の追加収録もそそられたけど、もっと所有欲を感じたのはハッキリ言ってジャケット。
この、他国でのオリジナルどおりのキースの写真はかなりカッコイイ。
リリース当時のじゃなく73年頃の写真だと思うけど。


IMG_6628



インナースリーブの各国のジャケット画像集には何故か変更されて出た日本盤のジャケもちゃんと載ってた。
こっちは75~76年ぐらいの写真だと思う。
キース・サンタのクリスマス・カードは秋にすぐ買ってれば気持ちがアガッたかもしれないね(笑)







これまた謎の変更で日本盤のA面になったジミー・クリフの超有名曲のカバー。
今回、しみじみクレジット見るまで長年の間、両面にロニーとチャーリーが参加してると勘違いしてたけど二人が居るのはこっちだけ。
「RUN RUDOLPH RUN」にはスチュが参加してた。

それにしても1stソロ・シングルで両曲ともカバー曲にしちやうのがキースっぽいよな。
その法則は1曲追加された今回も適応されてる。
何の気負いもアーティスト・エゴもないんだろうね。
さすがはキース。





THE ONLY OFFENDER

IMG_6676



驚いたね、今日は。
まさか、こんなに降るとは。



IMG_6677



昨日、驚いたのはコレ。
知ったのが午後で間に合わなくて(コンビニは夕刊が配達されるタイミングで朝刊は回収されちゃうんだね)今日になって手に入れた。

チャーリーが居なくなった時のこと、そしてこれからのこと。
読めてよかった。

『MAIN OFFENDER』の30周年記念エディションのリリースに合わせた取材だったっぽい。
俺は手を出してないからピンと来なかった。

今回のは見送りかなぁ、俺は。
リリース当時、こんなの買っちゃったし。



IMG_6657



管理がずさんで箱の劣化が著しいけど今でも大事に取ってある。
CDと46ページに及ぶ写真集、ポストカード、画像にはないけどポスターとT-シャツ。
ポスターは画像にあるブックレットの左ページの写真、Tは黒地に白文字でタイトルが書いてあった。
未だに両方、ちゃんと持ってる。
確か1万とかしたと思う。

単体CDの方は311の時、割れちゃったうちの1枚だったからこの箱があって助かったっけな。
国内盤だったから「KEY TO THE HIGHWAY」入ってて、ボックスCDにはそれが無かったけど「EILEEN」のシングルで代用出来たし。

シングルにはロンドンでのライヴ・テイク3曲も収録されてた。
「WICKED AS IT SEEMS」、「HOW I WISH」、そして「GIMMESHELTER」
今度のデラックス版にも同じくロンドンでのライヴ12曲が入ってるみたいだけど同じ日のなのかな?

ライヴは当時、2枚組のブートも買ったね。
ロンドンの約1ヶ月前、ツアー序盤のドイツ公演のヤツ。
ライヴ全編19曲にボーナス8曲。
いずれも音質良好の。



IMG_6658



そうは言ってもキースだぞ、買わねえのかよ?
と心の声もするけども。

そもそも『MAIN OFFENDER』自体がそんなでもないんだよなぁ、俺は。
『トーク・イズ・チープ』は大好きでキースが放った最後(今のところ、ね)の場外ホームランだと思うし、デラックス版(CD2枚組のだけど)も手に入れたけど、こっちは・・・。

なんか「トーク・イズ~」ほどの完成度じゃないというか気合いの入り方が違うというか。
緩くてテキトーなカンジ。
好きな人はそこがたまんないんだろうけど。
何せ、キースだしね。

でも俺、『ならず者』より『スティッキー』の方が断然好きなヤツだからなぁ。
もういっぺんよく聴いてみよう。
DX版、欲しくなっちゃうかもしれないけど(笑)







アルバム中のナンバー1フェイバリットはだるいレゲエの「WORDS OF WONDER」なんだけどキースらしいギターが聴けるこっちを貼っておこう。
アタマのリフの刻み方とかゾクゾクしちゃうな。

どうすっかな、DX版(笑)

終らない若気の至り

FNji3ctacAIGe59



とても楽しい夜だった。
そして素晴らしくカッコいいライヴだった。
赤いくらげの無念のキャンセルがあったけど龍頭(事前情報得てなかったら中島レイカとGUNの異種格闘技的なバンドだった)がその穴を見事に埋めてくれた。

1つだけ、でも最大級に残念だったのはこんな状況じゃなければ絶対に居た筈なのに居れなかった人がたくさん居たこと。
ギューギューでパンパンのクアトロを体感したかった。
いつかきっと。

ドロッとしてたりささくれ立ってたり捻じれてたり、日本のパンクの中でもトップクラスの妖しいバンド2つの共演で、客層もそれに相応しく厳つくて一癖も二癖もありそうな中高年パンクスがたくさん居たのにクアトロは何ともピースフルでハッピーな雰囲気だった。

時代の所為?
そうかもしれない。
でも、なんかそれが凄くいいなと思った、俺は。
ライヴ終わって会場出たら金曜夜の渋谷の街の方がよっぽどドロドロしてた。
カオスだったな、渋谷の街。




FNkgNMUakAI856n


OXYDOLLはフルメンバーとしては8年ちょいぶり。
初っ端の俺の大好きなこの曲で既にヤラレてしまった。




2012年にはじめて聴いた時もすげえ!と思って震えたけど、更に進化/深化しててビリビリ来たよ。
8年もブランクあったのに何コレ?って。

以下のセットリストはこんなカンジ。


IMG_6486



後半に何ともリラックスした和やかなメンバー紹介(「ベースの・・・方です!ギターの人です!この人です!そして・・・俺です!)があったけど、ほぼノンストップで17曲45分。

「本当の幸せ」と「神風」は確か東京初登場。
新曲の「パラシュート」は♪地球儀を手で掘る♪というNON語炸裂ながらもポップでキャッチー。
この期に及んでこんな曲が出てくるから凄い。

て言うか先月観たLemonsoursでも感じたけど、ここのところのNONの爆発ぶりがヤバい。
the GODは『 Quill』っていう最高の作品が形になったけどLemonsoursもオキシドールも‟今”を形として残してほしい。
新人バンドのLemonsoursは当然ながらオキシだってスタジオアルバムは無いんだから。
今なら凄いのが残せる、絶対。


IMG_6474


IMG_6471


IMG_6476


IMG_6478


IMG_6485


あと今回のオキシ観てあらためて、つくづく感じたのは各メンバーのアクの強さ。
誰一人‟普通”のプレイヤーが居ない。
NONと達也だけじゃない。
YouもGUNも全員が異形。
地元の同級生が集まって出来たバンドでよくもこれだけクセの強いのが揃ったもんだね。
奇跡的だよ、ホントに。


IMG_6479



NONはやっぱりコレ着てきた。
予想してたんだよね、俺。
後出しになっちゃうから前呑みの席で言っておいた「たぶん着てくるよ」って。
二名、証人が居る(笑)
ライヴ後、ツィッター見てたらタツシのグラサンも・・・。
いいねぇ、二人の想いが感じられて。
まだ居たなら、絶対来てた人だもんね。
ていうか出てたか、自分も(笑)

マスターベーションは撮影禁止だったので写真ないけど、こっちも素晴らしかった。
前半、リハ不足かな?と思わされる場面もあったけど尻上がりに調子上げてって後半は怒涛の展開。
楽曲的には最初のEP、特に「兵士」が人気なんだろうけどメンバー的には絶対、この3人だよな。



IMG_6499



マスベは個人的に6年前のアースダム以来。
その時と同様、ほぼすべての持ち曲やったんじゃないかな?
多少の曲順の入れ替えがあったのみで。
あっ、「闇の中の子供たち」やらなかったね、今回。
あのアタマに流されたSEがカッコよくて気になるなぁ。
音源欲しい。

アンコールの「犬」にはNONも登場。

卑龍もNONも10年くらい前まではまた観れる日が来るなんてこれっぽっちも思ってなかった。
2022年3月、渋谷クアトロでマスターベーションと一緒に「I WANNA BE YOUR DOG」を歌うNONを観てるなんて夢のようだったよ。
酷い、酷すぎる時代になっちゃったけどサイコーに幸せな瞬間だった。

今回もうひとつだけ感じたこと。

「MY JAPAN」にしても「兵士トナッッテ戦場へ向カエ!」にしても彼らが16~17歳の頃に作った曲でしょ?
それを40年経った今もやれるのが凄くいいなと思って。
若気の至りじゃなかったんだね。
いや、若気の至りだけど、それがまだ終わってないってことかも。

サイコーだよ。







ウェシェゲロベベアン

IMG_6524



いつか、そう遠くない日にこの日が来るのはわかってた。
わかってたけど、わかってるから大丈夫ってことじゃない。
わかってたのに動揺したし、寂しい。
猛烈に寂しいよ。

凄く‟近くに、其処に居る”ことを感じさせてくれる人だったから。
ジョンや清志郎のように。
そう感じたのは自分のことを明け透けに語る人だったからかもしれない。

ブログを書き始めて15年くらい経つけど意識的にも無意識的にも一番影響受けてるのはこの人だった。
渋谷陽一でも森脇美喜夫でも鳥井賀句でもなく。
3人とも好きだけどね、凄く。

あくまで主観で、個人的に音楽を語る語り口。
トゥー・マッチなくらいの対象アーティストへの愛情。
それなのに決してベタベタに湿っぽくならず清楚。
この最後のが憧れて真似しようとしても出来ないところ。
漫才ブームの時にたけしのことを‟演奏しないロックンローラー”と表現したのとか影響モロ被りしてよく、そのフレーズを使ってたっけなぁ。

一度だけ会ったというか少しだけ会話をさせてもらったことがある。
2004年のフジ・ロック。
レッドマーキーで。
入りきれずに外でこのバンドを観てたら隣りに居た。








IMG_6525




松村さんは次のアッシュ待ちだって言ってたけどね。
でも数曲、とりとめもない会話をしながら一緒に観てた。

まさにずっと通信教育を受けてた先生にはじめて会ったみたいな気分だった。

♪きみはもうここに居ない
  今はもう姿を消して
  綺麗な光に変わるのだろう
  人はみな変わるもの
  ぼくは落ち着かない気持ち♪

レット・イット・ビーは観れたのかな?
もう、この人の語るビートルズは読めないんだな・・・。



アンファンテリブル

IMG_6210



ボルシーって例のオムニバスでしか聴いたことなかったし、バンドのヒストリーみたいなことも殆ど知らなかった。
凄く若かったってこととあっという間に解散したってことを知ってたくらいで。

この発掘された初リリースのスタジオ音源集は事前のインフォでバンドの末期、しかも『TOKYO NEW WAVE』のトリオ編成ではなくキーボードを加入させたものだというのを知って。
あの3ピースの尖った音から角が取れたソフトな音への変化をぼんやりと想像してた。

聴いて自分の想像力の乏しさを恥じた。
3ピースの時より激しい。
より攻めた音に進化してる。
スゴイ!

10代だったのは知ってたけど78年の結成時はなんと高1!
俺は行くことが出来なかった原宿のSMASHがバンドの方向性に大いに影響したことは今回のCDのライナーで知った。
真島昌利や不正療法とSMASHを介して交流があったのはこないだ読んだマーシーの本で知ったばかり。
みんな同世代だったんだね。
感度抜群のアンテナを持った東京の子供たち。
日本のパンクの第一世代。

パンクに触発されてすぐにバンドを始めて、わずか1年の活動期間中にめまぐるしく変化して。
ヴォーカル&ベースの石田がデザインに興味が移った途端に解散。
このスピード感はパンクを体現してるよなぁ。
カッコイイ。
ちなみに今作のこのやたら目を引くデザインは石田が手がけたもの。

5枚組のボックスも聴きたいところだけど、このCDを出したところから出る本を買うことにしたから入手は後ろ髪引かれながらも断念・・・。

聴きたいなぁ!(涙)







そして未来が呼んでいる

IMG_4660




昨日書いたCDと同じ日に同じ店で見つけたのがこの雑誌。
レコスケでお馴染みの本 秀康の表紙がすごくいい。

こういうことって何回となくある。
思い出せるのはこの時とか・・・。
ただの偶然とは思えないんだよなぁ、こういうの。


『ロック画報』は何度か買ったけどこの号が出た頃はまだこの雑誌の存在を知らなかったかもしれない。
はじめて買ったのはこの2号後のRCのヤツだった。
コレ、知ってたら絶対スルー出来ないからね。
ぴったり20年前だね、ちょうどそのぐらい遅れてんだと思う、アタマが(笑)
「そろそろ買いなさい」っていう神のお告げなのかもな(笑)

丁寧でナイス・チョイスなディスク・レビューは今後、持ってないのを探す時の参考になるし、テーマごとに分けたテキストや当事者へのインタビューもわかりやすいし内容もディープで読み応えある。

近年は珍しくなくなったけど20年前はモモヨやヒゴはじめ、この手の人たちの当時を語る発言は貴重だったんじゃないかな?
うーん、やっぱり20年前に読みたかったな(笑)
でも読めてよかった。







サンプラ―CDに入ってた曲ではリザードのこの曲の未発表ライヴがよかった。
単独でレコード、CD持ってるのはリザードの他はP‐モデルぐらいしかなかったけどコクシネルがヤケに印象に残ったな。

ウォント・リストに追加しよう。

Exit B9

IMG_4661



コレって何回、リイシューされてるんだろう?
このボーイズ・ボーイズやミュータント・モンスター・ビーチ・パーティーのKUMMYが描いたジャケは最初に出た時のだよね。
まだインディーズ・ブームが来る前、小さいサイズの宝島でディスク・レビューを読んだ記憶がある。
”自主制作”って言い方から‟インディーズ”って言い方に変わり始めた頃。

その数年後だかにヒゴヒロシの背中から湯気が出てる写真のジャケに変わってタイトルも『Crack!』に変わったけど、いつのまにか元のタイトルとジャケのが流通してて・・・。

たぶん、この2枚組のが最新バージョンでヴォリュームも一番あるんだと思う。
テレグラフやWAXなどその都度、レーベルも違ったけどコレはユニオンが2010年に出したヤツ。

なんと俺ははじめての入手。
しかも、こないだ。
昨年11月、1年以上ぶりだったお茶の水ユニオンで。
新品だった。

これまでのも見かけて手に取ったりはしたのに何故か買わなかった。
コンピじゃなくてオリジナル・レコードで(全部じゃなくても)いつか、とか思ってたのかなぁ?
そんなの無理だと諦めたのかな、今回は(笑)

ツネマツマサトシのはSSからのリイシューCDを持ってたりカセット・コピーで聴いたのも幾つかあるけど大半が初聴き。

そのマッチャンもミラーズもマリア023も勿論いいけど一番ぐっとくるのはこの曲。









「共犯者」よりこっちが好き、理由はわからないけど。
刹那的で鋭くてせつなくて迷いが無い。

今、聴くと「どこがパンク?」ってぐらいそれ以前のロックのように聴こえるかもしれないけど。
俺には性急に聴こえるよ、実際の速度は関係なく。
切羽詰まったカンジというか。

しかし、どのバンドももアツいな、とんでもなく。
ジャケはレーベル・オーナー、ヒゴの湯気のヤツの方が合ってたかも。

それも探すか(笑)


悪徳のジャングル・ビート

FMM5pQtacAEv2Sw



ジャングルズのレコードは2枚とも持ってないけど音は両方聴けてた。
それでも正規の再発は嬉しかったな。
とんでもなくアツい未発表ライヴがレコードと同じ分量で収録されてたし地引雄一の想いのこもったライナーも良かったし。

2枚のシングルに関しては思いっきり雑に言うと、イデ&キヨシの最強リズムセクションと良のギターのアンサンブルを楽しめるインスト色の強い1st、NOVというヴォーカリストを加えたうたもの的な2ndみたいなイメージを持ってた。

今回あらためて聴いてもその印象が大きく変わることはなかったんだけど、1stの時折入る良のヴォーカルがすごく良いのと、2ndでのNOVのうたもザラついた感触が音としてバンドに溶け込んでると感じた。

1stなんか‟「BREAK BOTTLE」だけじゃなく全部インストでいいのに”と思ってたけど、大きな間違いだった。絶対、在った方がいい、良の声が。

2ndではNOVだけじゃなくYAMAのリズムギターとAMIのベースとコーラスもとてもいいことにも気づけた。

この2枚のレコードのリリースは81年と82年。
『リメイン・イン・ライト』や『ハウ・マッチ・ロンガー?』など当時の最先端のレコードと比較しても引けを取らないし、後追いではなく並走してた。
そして40年を経過した今聴いてもまったく古くない。

アグリ―オーファン繋がりのじゃがたらの『南蛮渡来』が82年で、1stで脱退したイデが参加したEDPSの『BLUE SPHINX』が83年なのを考えると、ジャングルズの先進性に否が応でも気づかされる。
どっちの編成でもアルバム残してほしかったけど突っ走って走り抜けちゃったんだろうね。

パンクを通過したファンク?
あるいはパンクスがやるファンク?

良もキヨシもパンク以前のロックに精通してたというか経緯を考えると海外のパンク同様、彼らが1stジェネレーションといえるから後者かな。

81年11月の横須賀での未発表ライヴでは1曲目「JUNKIE JUNGLE」に「ワイルドサイドを歩け」と「アイ・ウォナ・ビー・ユア・ドッグ」を感じたことを記しておこう。









確かに「BREAK BOTTLE」は超絶カッコイイけどあまりに言われるのでコレを貼ろう。
キヨシのタイトで強いドラム、イデの尖ってて重いベース、良のキレッキレッでファンキーなギター。
サイコー。

「仰げば尊し」は遠くになりにけり

FMwLEngaMAMlgrq




コレももう3回目だな・・・。

今度、高3になる知り合いのところの子が「高校の思い出なんか1つも無い」って言ってるらしい。
そりゃそうだろうね。
4月からの新たな1年がこの2年間と同じようだと影響モロ被り第一世代になっちゃう。
こんなことが続いて行くと人間そのものが大きく変わっていって(しかもあまり良くない方に)しまいそうで怖い・・・。


「卒業式で『仰げば尊し』って歌った?」
一昨日の日曜、日曜オンリーで現場に入る若い子(33歳)にふと聞いてみた。
「中学では歌いましたけど高校は歌いませんでしたね」
そうか、その辺が境目なんだね。



IMG_6251








少し調べてみたら「仰げば」を卒業式で歌わなくなった理由としては
‟古語なので若い世代には分かり辛い”
‟教師に恩を感じろと強要してる”
‟♪身を立て名を上げやよ励めよ♪が立身出世を煽っている”
なんていうのがあるみたいだね。
まあ、要は時代にそぐわない、古いってことなんだろう。

以前はともかく今の俺にはそういうのを嘆く気持ちはあんまりない。
仕方ないよ、古いんだから。
すべては時間の経過と共に変わっていく。
誰にもそれは止められない。
「ミチロウが居ない」と嘆いたところで還ってくるワケじゃないしさ。
俺もいつか居なくなるんだし。

でも、まだ俺は此処に居るし、まだ「仰げば尊し」を聴きたいと思って聴くことが出来る。
それだけで充分。
‟古い”と言われ変化するものをすべて受け入れなくてもいい。
何を受け入れて何を受け入れないかは俺が決める。

俺はミチロウでも清志郎でもルー・リードでもチャーリー・ワッツでも‟後世に受け継がれていくべきだ”なんてこれっぽっちも思わない。
聴きたきゃ聴けばいいし聴きたくなきゃ聴かなきゃいい。
ただ、もし興味あっていろいろ聞きたいと思う若人が要れば幾らでも語ってあげれるけど。
え?必要ないって?
だよね・・・(苦笑)

さっき‟すべては変わる”って書いたけどさ、変わらないものもあるんだよ、ほんの少しは。
‟死ぬまで”とか‟一生”とか‟生涯”とかは言わないよ。
そんなのわかんないし。
まあ、だいたいわかる年齢になっちゃったけど(笑)
でも、まだ今は変わらず聴ける。
それでオーケー。




プロフィール

LA MOSCA

Twitter プロフィール
音楽が好き それだけ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

読者登録
LINE読者登録QRコード
  • ライブドアブログ